シカゴからロサンゼルスまで

ヨッ、調子どう?

RADWIMPSの全アルバムを6000字で語ります【後編】

 

 

前編はこちら↓

 

 

zenkyu.hateblo.jp

 

 

 

 

 

 

5thアルバム『アルトコロニーの定理』

 

f:id:kashiwasita:20171004165636j:image

 収録曲

1.タユタ

2.おしゃかしゃま

3.バグパイプ

4.謎謎

5.七ノ歌

6.One man live

7.ソクラティックラブ

8.メルヘンとグレーテル

9.雨音子

10.オーダーメイド

11.魔法鏡

12.叫べ

13.37458

 

 

   RADWIMPSの大きな転換点となったこのアルバムの1曲目は”タユタ”から始まる。これまでの流れからいくとアルバム名は『RADWIMPS5』というタイトルが相応しいが、洋次郎曰くこれまでとは別の次元の音楽という意味でこのタイトルが付けられたという。

 

   2曲目の”おしゃかしゃま”は、今までのRADのイメージを一変させるような宗教的でどこか狂気的な雰囲気を感じる曲だ。速いテンポでのギターリフから繰り出される歌詞の一語一句に思わず息をしているのを忘れてしまう。

 

   次の”バグパイプ”は洋次郎がかつて付き合っていた彼女との決別の曲で、これぞ野田洋次郎といわんばかりのラブソングになっている。そこから鍵盤のポップなメロディが印象的な”謎謎”がこのアルバムに色を与えていく。

 

   続いて「We are the world」のような雰囲気を持った”七ノ歌”がひっそりと始まる。実はこの曲のコーラスは洋次郎が1人で人格を変えた16人分を担当しているというから驚く。

 

   そして流れをぶった切るように名曲”One man live”が打ち込まれる。透明感と激しさを孕んだこの曲からは今までのRADを凌駕する迫力めいたものを感じる。それに続いた”ソクラティックラブ”はたくさんの星座の名前とともに洋次郎の寂しさや悲しさが凝縮された曲になっている。

 

   そんな寂しさを優しさで包み込むように8曲目”メルヘンとグレーテル”が始まる。洋次郎曰くこの曲は「ふたりごと」の続きで、こんな時代だからこそ君と約束を果たしたいというメッセージが含まれている。

 

   9曲目”雨音子”は「あまおとこ」と読む。和訳すると純粋なラブソングで、雨の日にそっと傘を差してくれるかのような温かさを内包している。それに続く”オーダーメイド”は未だにファンの間で人気の曲で、洋次郎は歌詞が「降ってきた」と語っている。

 

きっと僕は尋ねられたんだろう
生まれる前 どこかの誰かに
「未来と過去 どちらか一つを見れるようにしてあげるからさどっちがいい?」

 

   ストーリーは神様から現世に送り出される時の会話調になっており、他の追随を許さない洋次郎の突出した才能を垣間見ることができる。

 

   続いて11曲目”魔法鏡”は「マジックミラー」と読み、またしても振り仮名のセンスを感じる。激しいイントロから始まったこの曲は洋次郎の切実な叫びが聞こえてきそうで、それは次の曲”叫べ”に受け継がれる。これは一時期解散の危機に陥ったメンバー同士の苦難から脱したときにできた曲だという。

 

   このアルバムを締めくくる最後の曲”37458”は「みなしごはっち」と読む。洋次郎が「タユタ」と同じくらい大切にしている曲。

 

「絶対なんて絶対ない」
ってそれはもうすでに絶対です

 

   この歌を初めて聴いたとき、僕は目に見えない何かに許されて生きているような気がした。

 

「全てのことに自信がない」
ってそれはもう立派な自信です

 

   捻くれてるけど本質を捉えているRADWIMPSの音楽は、このアルバムからさらに速度を増したと断言できる。

 

 

 

 

6thアルバム『絶体絶命』

 

f:id:kashiwasita:20171004174346j:image

 収録曲

1.DADA

2.透明人間18号

3.君と羊と青

4.だいだらぼっち

5.学芸会

6.狭心症

7.グラウンドゼロ

8.π

9.G行為

10.DUGOUT

11.ものもらい

12.携帯電話

13.億万笑者

14.救世主

 

 

   全体的にダークな雰囲気を醸し出しているこの6thアルバムは2011年3月11日の東日本大地震の2日前にリリースされた。タイトルの『絶体絶命』の意味は糸色(いとしき)体(からだ)糸色(いとしき)命(いのち)という意味である。震災の3日後には被災地への支援として「糸色-Itoshiki-」を開設した。

 

   そんなアルバムの1曲目は”DADA”からスタートする。軽快なドラムのリズムから「生きてる間すべて遠回り」という洋次郎の身体の中の毒を吐き出すような声。ライブではお決まりのキラーチューンであり、前作の「おしゃかしゃま」を彷彿とさせる曲調でこの流れはRADの新しい定番となっていく。

 

   2曲目は全体的にポップなメロディとファンタジックな歌詞が特徴な”透明人間18号”だ。このアルバムでは珍しい明るめな曲で全体的なバランスを保っているのだと思う。そして3曲目”君と羊と青”に移行する。

 

喜怒哀楽の全方位を 縦横無尽に駆け抜けた日々を

 

   歌詞に四字熟語やら難解な言葉を羅列して、それをカッコよくリズムに乗せるといったこの曲はRADのアップテンポ曲代表となった。この流れも受け継がれ、次作で紹介する「会心の一撃」へと繋がっていく。

 

   それからアルバムは4曲目”だいだらぼっち”へ。幼いときは1人だけ体格が大きく、同級生から「野田さん」と呼ばれていた洋次郎なりの寂しさを表現しているのだろうか。サビのフレーズが自分に言い聞かせているように思えてしまうような楽曲だ。

 

   そしてここからアクセルは全開になっていく。5曲目”学芸会”は激しいギターイントロから洋次郎の毒舌っぷりが熱を帯びる。続いた”狭心症”からはRADの今までの「僕と君」というテーマから「世界」という大きな枠にシフトしているように思える。

 

この耳が二つだけでよかったなぁ

世界の叫び声がすべて 聞こえてしまったら

僕は到底息ができないから

僕は僕を 幸せにする機能で

いっぱい×8

 

    ちなみに狭心症とは心臓病の一種。洋次郎はこの曲をライブで歌う前、「勇気をもって歌わなきゃいけない曲」と述べている。

 

   その流れを受けたように暗めなトーンで始まる7曲目”グラウンドゼロ”だが、歌詞からは絶望しているように見えて実は希望で溢れているといった前向きなメッセージを内包していることがわかる。8曲目”π”は円周率のことで、理系の洋次郎らしい数学的な表現が歌詞に散見でき、ピアノロックが美しい旋律を奏でている。

 

   次の曲である”G行為”は読んで字の如く自分を慰めている曲だ。その割に途中に出てくる英語詞がとんでもなくカッコイイ。格好良さといえば外せないのが10曲目”DUGOUT”である。爆発的なイントロからサビに向かって徐々に熱量は増していき、RADを代表するギターロックとして昇華されていく。

 

   洋次郎の優しい声から始まる”ものもらい”に入るとアルバムも終盤に突入する。彼の中の迷いや劣等感が滲み出るこの曲が終わると、僕の大好きな12曲目”携帯電話”がボタン音とトロピカルなアコースティック音につられて始まる。

 

さらに電話帳の名前をぼんやり眺めてると
どうにもこうにも 思い出せない人がいて

まるで僕よりも 僕のことを分かっている

ような そんな変な箱です

 

   「こんなモノがなければ」というサビからは、電子機器が普及してしまった現代のある種の不便利さをひしひしと感じることができる。ちなみにこの曲は11thシングル「マニフェスト」と同時にリリースされたが、後者は現在もアルバム未収録曲である。印象的なMVとファンからの根強い人気を誇るため惜しい気はするが、そこは洋次郎なりにバランスを考えた上での配慮なのだろう。

 

   そんな個々に主張の強いこのアルバムをまとめるのが最後の曲"救世主”である。「世界」という大きな命題の中で本当にシンプルに「君」だけを突き詰めている曲で、洋次郎の豊かすぎる感受性の境地を表しているかのように思える。

 

   前作でバンドとしての色を大きく塗り替えたRADの方向性を決定づける一枚として、この『絶体絶命』は大きなターニングポイントになったに違いない。震災の2日前にリリースしたというのも運命なのか、その後5年間、毎年3月11日にYouTubeにて新曲を公開した。ちなみに全曲がCD未収録であり、これらの鎮魂歌は震災の記憶を「風化させないように」洋次郎なりの想いが詰まっている。

 

 

 

 

7thアルバム『×と○と罪と』

 

f:id:kashiwasita:20171004174823p:image

 収録曲

1.いえない
2.実況中継
3.アイアンバイブル
4.リユニオン
5.DARMA GRAND PRIX
6.五月の蝿
7.最後の晩餐
8.夕霧
9.ブレス
10.パーフェクトベイビー
11.ドリーマーズ・ハイ
12.会心の一撃
13.Tummy
14.ラストバージン
15.針と棘

 

 

   この7thアルバムは洋次郎が「前作よりも自分が感動できるものじゃないと出せない」と語っていた上で、結果的に塗り替えてしまうものを作ってしまったので、当時はやはりRADWIMPSなのだと思った。

 

   そんな最高傑作のアルバムの1フレーズ目から強烈な歌詞が印象的な”いえない”からスタートする。

 

言えない 言えないよ

今君が死んでしまっても 

構わないと思っていることを

 

   前作『絶体絶命』では主題が大きな世界に移り変わったので重いテーマばかりだったが、今作では世界にわたしとあなたを組み込んだ新しいラブソングがいくつも登場する。

 

   続いて2曲目は”実況中継”だ。神様と仏様が喧嘩する話で、サウンド面で「おしゃかしゃま」「DADA」の流れを引き継ぎ、RADの音楽の宗教性をさらに強めた作品。そして哲学性を持った”アイアンバイブル”にゆるやかに移行していく。桑原のギターリフによるキャッチーさが難解な歌詞をやんわりと紐解いているように聞こえる。

 

   このように大きな世界の話をメロディと比喩で落とし込んで今までのRADっぽくするという手法がある意味新しいし、それは4曲目”リユニオン”にも生かされている。これはRADでは珍しい友情ソングで人嫌いだった洋次郎が大人になったことを示している。どこか「俺色スカイ」を連想してしまうのは僕だけだろうか。

 

   5曲目はツアーのタイトルにもなっている”DARMA GRAND PRIX”である。お得意の言葉遊びで独特の世界観を演出する洋次郎の軸がブレてないことを再確認させられる一曲で、ここからアルバムはさらに深淵に入っていく。

 

   そしていよいよ多方面で物議を醸した”五月の蝿”に突入する。この曲は一見すると深い憎悪に満ちていて当時破局した某女優に対しての当てつけだという意見が蔓延していた。

 

僕は君を許さないよ 何があっても許さないよ

通り魔に刺され 腑は零れ 血反吐吐く君が助け求めたとて ヘッドフォンで大好きな音楽聴きながら 溢れた腑で縄跳びをするんだ

僕は君を許さない もう許さない もう許さないから

 

   当時結婚も間近と噂されていた2人に何があったのかは不明だが、著者「ラリルレ論」で洋次郎は「メンバーと、メンバーの家族のために俺は生きる」と綴っている。愛と憎しみは紙一重という言葉が奥歯に詰まって中々吐き出せずにいた。

 

こうやって人は生きてゆくんでしょう?

生まれてはじめての宗教が君です

 

   また、2014年に行われたツアーの3月9日横浜アリーナ公演で洋次郎はアンコール?(忘れた)でこの曲を披露したとき、「この曲をやるのは最初で最後にします」と言って泣いていた。そのときのライブが未だに鮮明に脳裏に焼き付いている。

 

   7曲目”最後の晩餐”はどこか遥か遠くを見つめているようで、届きそうにない大きな何かに手を伸ばしているような歌詞が印象的で、「ジェニファー山田さん」と同じ60億個というフレーズも意味合いが違って聞こえる。

 

   次の”夕霧”は演奏のみ1分41秒の曲で洋次郎のピアノから9曲目”ブレス”へと繋がる。この曲は絶対延命ツアーの最中に発表され、宮城県川崎町で行われた青とメメメでは被災したピアノを伴奏しながら登場するシーンが印象的だった。

 

   アルバムも後半戦、10曲目”パーフェクトベイビー”は洋次郎の自由さがでている曲だとドラムの智史が語っており、いい意味でラフでRADらしいと思う。11曲目”ドリーマーズ・ハイ”は通算15枚目のシングル曲であり、MVで洋次郎がバイクに乗っているシーンが印象的だ。

 

悲しみに優しさ足すと平和に

平和に痛みを足すと怒りに

怒りに温もりを足すと涙に
涙に涙を足すとカラカラに

 

   この曲でRADは少し突き抜けたような感じがする。僕が思うにこのタイトルは「ランナーズハイ」という現象をモジッたもので新しいRADの代表曲になると思っていた。が、そこまでの評価はされなかったみたいだ。残念。

 

   終盤を迎えた12曲目はイントロからかっ飛ばすようなサウンドが鳴り響く”会心の一撃”。今までの強みを踏襲したまさしくタイトル通りの曲で、「君と羊と青」のようなたまらない疾走感を感じる。ライブでは締めでプレイされることが多いようだ。

 

   そしてアルバムはある種究極のラブソングである”Tummy”へ。洋次郎がいつかこの世に生まれてくる我が子にむけて作った曲。最愛の人と血がつながっていることに嫉妬するというのが実に洋次郎らしい。愛は伝染するようで、次の曲”ラストバージン”に移る。

 

当たり前の日々などいらないと言う

するといつもの調子で君は語る

あなたの当たり前になりたいと言う

そんな日がくればいいなと言う

 

   16thシングル「五月の蝿/ラストバージン」として両A面で発表されたこの曲。仮に前者が陰のラブソングだとしたら、こちらは陽のラブソングであるし、2つ合わせてようやく完成するものだと信じたい。

 

   RADとしての王道を貫きつつ、新たな境地を開拓したこのアルバムの最後は”針と棘”で終わりを迎える。聴いているだけで気分が安らぎ、落ち着く曲だが歌詞に込められたメッセージは深い。洋次郎がピアノを伴奏する曲というのは、その優しい歌声に潜んだ想いをリスナーが掬ってやれるかが大事な気がする。

 

RADWIMPSとしての音楽はこの時点で完成されているかのように思えるが、当時洋次郎はラジオで「生き急いでいる」と語っていた。それがどんな意味を指すのか。次のアルバムで分かるはずだ。

 

 

 

 

8thアルバム『人間開花』

 

f:id:kashiwasita:20171004175130j:image

収録曲

1.Lights go out
2.光
3.AADAAKOODAA
4.トアルハルノヒ
5.前前前世 (original ver.)
6.‘I’ Novel
7.アメノヒニキク
8.週刊少年ジャンプ
9.棒人間
10.記号として
11.ヒトボシ
12.スパークル (original ver.)
13.Bring me the morning
14.O&O
15.告白

 

   RADWIMPS自身最大のヒット曲になった「前前前世」が盛り込まれたアルバムで、洋次郎にとって音楽を続けていく光が邂逅されたと言っても過言ではない。以前にレビューしているが、改めて語っていこうと思う。↓

 

 

 

   1曲目はライブでの演出がドキドキを加速させる仕様となっている”Lights go out”から。その熱量を最大限にまで曲間なしに持っていくのが”光”という曲である。実は映画「君の名は。」の主題歌には当初この曲にするか最後まで悩んだらしく、それだけのポテンシャルを秘めたリード曲である。

 

   3曲目は『アルトコロニーの定理』から始まったRADの新定番”AADAAKOODAA”である。シンセサウンドと重厚なベース音が融合し、どちらかというと「DADA」に寄せられているように感じる。そして洋次郎の明らかな変化が現出した”トアルハルノヒ”へ。

 

ロックバンドなんてもんを

やっていてよかった

間違ってなんかいない

そんなふうに今はただ思えるよ

 

   以前にラジオで洋次郎は人間開花というより「人間万歳」だと語っていた。人嫌いで人間としてどこか欠如していた彼がこんな歌を書くことになるとは本人が一番その変化に驚いていることだろう。

 

   5曲目は映画「君の名は。」で一躍RADを世間に知らめた”前前前世”である。過去から未来までの一本の線を行き来するような疾走感のあるサウンドとサビの破壊力に、発表当初は凄い曲を作ったもんだと震え上がった。何度も言うが、決して「君の名は。」のブームだけで有名になった曲ではなく、成る可くしてなったとしか言いようがない。

 

   続いた6曲目はこれぞRADと言わんばかりの王道曲”‘I’ Novel”である。ラジオで初めて聴いた時、中1でハマったあの日のことが蘇ってきたような感触を覚えた。洋次郎が「生き急いでいる」と言っていた意味が今ならわかったような気がする。

 

   それからアルバムはスピード感を増したように”アメノヒニキク”を繰り出す。静寂した世界観を一瞬で変えてしまうような掻き鳴らすような無機質なサウンドが轟き、洋次郎のボルテージも上がっていく。

 

   8曲目の”週刊少年ジャンプ”はタイトルから無下に思われがちだが、どことなく味噌汁'sの「ふうてん」のような淡い気持ちを思い出してしまう。同雑誌のスタッフがこの曲に感銘を受け、歴代の名場面とリンクしたMVが期間限定で公開された。

 

   「ねぇ、僕は人間じゃないんです」というフレーズから始まる”棒人間”は洋次郎が今までの人生でずっと感じてきたであろう心情が歌詞に表れていて、もしかしたら共感する人もいるのではないだろうか。悲しいように見えて、実はそうではない。今年の4月には「フランケンシュタインの恋」というドラマの主題歌にも抜擢された。

 

   10曲目は通算18枚目のシングル曲である”記号として”だ。洋次郎の中にある得体の知れない狂気じみた感情が止めどなく溢れ出しているような曲で、RAD初のアナログレコード盤も発売された。続いた”ヒトボシ”はライブ盤のような音響で、スポットライトに当てられて大勢の前で演奏するメンバーの姿が脳内で再生される。もっと評価されてもいいような気もする。

 

   12曲目は映画「君の名は。」の劇伴として人気を博した”スパークル”である。movie verより2分ほど短くなっているというが、それでも6分50秒もある。

 

愛し方さえも 君の匂いがした
歩き方さえも その笑い声がした

 

   ピアノの旋律とアレンジの完成度の高さに目を見張るが、洋次郎の透明感のある声が限りなく広大な宇宙へと導いてくれるような感覚。音楽にとことんこだわる新海誠監督が太鼓判を押すだけのことはある。

 

   アコースティックによる柔らかなアルペジオが1分弱の安らぎを与えてくれる”Bring me the morning”を経てアルバムは14曲目”O&O”へ。タイトルはOne&Onlyの略で、「七ノ歌」を彷彿とさせるコーラスは洋次郎がまた全部歌っているのだろうか。(詳細は不明)

 

   今までのアルバムの中で一番バランス感覚が備わっている今作の締めは”告白”という、もうさすがとしか言わざるをえない渾身のラブソングになっている。

 

見渡した人のその群れの中に

ふと ひとつだけ場違いなほど美しい

色の魂 それがつまりあなたでした

 

   「音楽が楽しい」「もっと自分たちのやりたい音楽がしたい」「死ぬまで続けていきたい」とラジオで語っていた洋次郎。ようやく人間として開花できた今回のアルバムは、どんなに有名になってもやりたいようにやるという強い意志を歌詞の端緒から感じた。

 

これほど誰かが僕の真ん中を

一人占めにしてくれるとは

この世界が言うには絶対なんてないけど

内緒で今 作ろうよ

 

   いつだって根源的で、神秘的で、計り知れない、RADWIMPSという大きな存在。

 

   彼らに支えられてきたファンはとても多く、これからも一緒に手を取り合って生きていきたいと思う反面、変わってしまうのではないかという不安、それをこのアルバムで一つのアンサーを示してくれているように思える。

 

 

 

f:id:kashiwasita:20171006001601j:image

 

 

前後編に渡って全アルバム8作、収録曲110曲をレビューしましたが、いざ書き起こしてみると前編6,000字/後編7,000字という膨大な量になってしまいました。

 

それにあたり全アルバムを聴き直しましたが、野田洋次郎という類を見ない才能をこれでもかと改めて鮮烈に突きつけられました。

 

僕が中学生の頃に流行ったRADWIMPSはいつしか「厨二病バンド」として煙たがられていました。しかし、昨年の大ヒットにより再び陽の目を浴びるようになり、賛否両論が唱えられるようになりました。

 

ぜひ今までのRADがやってきた音楽を聴いてほしいです。そして流行りに惑わされず自分だけの色を見つけてほしいです。そんな想いを込めて今回の記事を書きました。

 

 

それでは。