シカゴからロサンゼルスまで

ヨッ、調子どう?

地下アイドルの闇

 

 

ザワザワザワ。

 

 

休日のライブハウスは昼間から賑わっている。

 

煌びやかな衣装を着た少女たちが、狭い通路でまるでキャバクラの接待のようにおじさんたちに愛想を振りまいている。

 

 

ザッザッザッ。

 

 

彼女たちにはこの物販こそが活動の生命線だ。

 

ライブハウスのノルマは膨大で、それを支払うために彼女たちは1回1000円のチェキ撮影の売り上げでなんとか食いつないでいる。

 

狭い通路には長蛇の列ができ、湿った汗の臭いと派手な香水の匂いで充満している。

 

 

パシャパシャパシャ。

 

 

彼女たち地下アイドルは相当人気でない限りワンマンライブなど到底できないため、同じようなグループが何十組と密集して20〜30分の短いステージで転換していく。

 

 

これがいわゆる「アイドルイベント」だ。

 

 

ライブの倍以上の時間を使って終演後に物販を行ない、チェキの売り上げでノルマを払う。

 

 

パシャパシャパシャ。

 

 

彼女たちはサイリウムを振り回す数十人の熱烈なファンに向かってカラオケ曲を披露し、満足し終えた顔で物販に向かう。

 

ライブ後のチェキ会の列には同じような格好をした30〜40代のおじさんが1人で何度も何度もループを繰り返している。

 

AKBの登場以来、アイドルはテレビの中の遠い存在からいつでも会える存在になってしまった。さらに安価で触れ合えるのが当たり前、となった現在の地下状況は芳しくない。

 

 

ゾロゾロゾロゾロ。

 

 

ライブのために物販をしているのか、物販のためにライブをしているのか。

 

ステージ上で眩しいスポットライトに照らされ、精一杯に歌って踊る彼女たち。

 

休日の昼間から数ヶ所の現場を行き来して、夜遅くにようやく普通の少女に戻る。

 

 

パシャパシャパシャ。

 

 

ライブハウスで働いていると、嫌でも彼女たちの苦悩が垣間見えてしまう。

 

それでも笑顔を絶やさない地下の彼女たちがいつか救われますように。

 

 

 

「今日もなんか、臭くない?」

 

「いつものことでしょ」

 

 

 

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